2004年に「あおい」でデビューし、2015年には「サラバ!」で、第152回直木三十五賞を受賞した作家“西加奈子”さんが、軽井沢高原教会に寄せて、ショートストーリー『あなたのからだ』を書き下ろしました。そのストーリーを元に制作したオリジナルムービーを、6月28日(火)からWeb限定で公開します。

また、西加奈子さんに“どのような20代を過ごしてきたのか?”“憧れる恋愛とは、どのようなものなのか?”“恋にひたれるその時期に、どんな恋愛をしておくとよいか?”といった本ムービーの「いい恋って、なんだろう。」をテーマに特別インタビューを行いましたので、是非そちらも併せてご覧ください。

本動画は、「いい恋って、なんだろう。」をコンセプトに書き下ろされた作品となっており、“病という冠がついているけれど、恋わずらいはきっと、未来のある病だ。”といった表現など普段の小説とはちょっと違ったもうひとつの西加奈子ワールドを楽しめる内容となっています。

西加奈子書き下ろしショートストーリー『あなたのからだ』

「サラバ!」や「きいろいゾウ」でも有名な直木賞作家 西加奈子さんに、「いい恋って、なんだろう。」をテーマに本編を書き下ろしていただきました。美しい映像と共に、心に響く言葉の数々を是非お楽しみください。

西加奈子書き下ろしショートストーリー「あなたのからだ」 - YouTube

出典:YouTube

『あなたのからだ』  西加奈子

その人を思うと胸が苦しくて眠れなくなる、
食欲がなくなってしまう、
泣きたくないのに涙が出てくる。
それを過去の先輩たちは「恋わずらい」と名づけた。
病という冠がついているけれど、
恋わずらいはきっと、未来のある病だ。
眠れなかったあの夜も、溢れてきた涙の温度も、
知らぬ間にあなたのからだに蓄積されている。
あなたは覚えていなくても(忘れたくても!)
からだが覚えている。
淘汰されてしまった思い出を、
病特有のしつこさで、ずっと記憶している。
恋の記憶を孕んだあなたのからだは、空っぽのそれより強い。
痛みと、甘やかさと、たくさんの涙と熱で出来たあなたのからだを、愛そう。
それは世界でたったひとつの美しさだ。
過去のあなたが用意してくれた、あなただけの美しさなのだ。

作家 西加奈子さん プロフィール

1977年生まれ。小説家。
2004年「あおい」(小学館)でデビュー。
2015年には「サラバ!」(小学館)で、第152回直木三十五賞を受賞。
近著は「まく子」(福音館書店)

西加奈子さん特別インタビュー『いい恋って、なんだろう。』 

Q:西さんは、どのような20代を過ごしてきたのでしょうか?

20代は、“女の子であること”に囚われていたなと思います。20代のうちに結構本が売れたんですが、それを恥じなきゃいけなかったというか・・・。『若い女が、こんな大金持っとたらアカン!』みたいな社会圧を、勝手に感じていたんです。やっぱり、モテたかったの(笑)。『おまえの彼女、ええな』って言われる女の子でありたかった。作家という特殊な職業じゃなくても、認められたいと思っていたんです。だから当時は、作家であることを隠していました。

Q:西さんが憧れる恋愛とは、どのようなものなのでしょうか?

よく、成長しあえる恋愛がいい恋愛なんていうけれど、私は、どんどん世界を狭くしてくれる恋愛に尊さを感じていて。田舎で暮らす夫婦が登場する『きいろいゾウ』は、そんな関係性に憧れて書いた物語です。また『ふくわらい』では、恋ってものがわからない主人公と、目の見えない男の人が、“世間でいう恋愛”のようなものをはじめるかもしれない・・・というシーンがあります。それが、すごく印象に残っていますね。ゼロからふたりの関係性を築くことに、すごく憧れるんです。
例えば私は、必要なかったから結婚指輪を買ってないんです。でも、じっくり考えて『絶対に指輪が必要!』っていうのも素敵だと思う。答えはどうあれ、『こういうもんやから』を一旦取り去って考えたいんです。そのためには、自分とパートナーを愛して、心の声に耳を澄ませることが大切。自由って、そこからはじまるような気がします。だって、本当に好きなもの・したいことがわかっていたら、人と比べなくなるでしょ?

Q:恋にひたれる時期に、どんな恋愛をしておくとよいでしょうか?

思いっきり恋愛にかまけていいと思うし、私は、そうしておいてよかったですね。恋愛話で飲み明かせるうちに、手痛い目にあっておいたほうがいいとも思います。だって、『それ、ヒドイな―』って友だちと言い合いながら飲んだ酒は、おいしかったしね(笑)
『死んじゃうかも』と思うほど人を好きになるのは自分のカラダを100%、誰かに明け渡すこと。それはすごく優しい行為だし、奇跡に近いこと。だから、手痛い失恋だって『その人が選んだ恋』というだけで、尊いものだと思います。誰かを傷つけていない限りは。
そういう経験があるかないかで、違う気がするんですよね。なにが違うのかは、もっと年齢を重ねたときに分かってくるのだと思うけれど、今の私にも『どんな恋愛も糧になった』という意識だけはあって。そう、どんな恋愛も糧になる。絶対に。絶対に、です。

軽井沢高原教会について

西加奈子さんが今回ショートストーリーを寄せた
「軽井沢高原教会」は、古くからキリスト教文化が息づく軽井沢で
大正10年から時を重ねてきました。
人々が自由に集い語り合った歴史を原点に持ち、
今なお季節ごとに行われる行事や毎週日曜の
礼拝を通じて、人と人とのあたたかな絆を育み続けています。

今回の書き下ろし作品と同じ「いい恋って、なんだろう。」をテーマにした
全ての女性を応援するメッセージを、ホームページなどで展開中。

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記事監修:薬剤師白石厚子

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