特定非営利活動法人 国境なき医師団日本は、12月27日(火)より、マネキンチャレンジによるメッセージ動画「【国境なき医師団】マネキンチャレンジ~Tears of Blood」をYouTubeで公開しました。

2015年10月3日、アフガニスタン・クンドゥーズ州で国境なき医師団(MSF)が運営する病院が米軍による爆撃を受け、患者・スタッフ合わせて42人が命を落としました。また、施設の崩壊により、約100万人の住民が医療を受ける機会を奪われています。その後も、シリアやイエメンなど紛争地では、日常的に医療施設が攻撃の対象になっています。本作品は、常態化する病院爆撃の真実を広く知らせ、「どんな理由でも医療施設や患者・スタッフが標的になってはならない」というメッセージをお伝えするために、あえて世界中で流行している「マネキンチャレンジ」の手法を使って制作された動画です。

<動画に出演する国境なき医師団日本・加藤寛幸会長>

病院は本来、負傷者や病人を癒し、命を救う「世の中でもっとも安全であるべき場所」です。たとえ紛争下であっても、医療施設や医療従事者、患者を攻撃対象とせず、医療活動を保護することは、国際人道法でも定められた国際的なルールです。クンドゥーズの事件当時、日本でも報道がなされましたが、なぜ病院が攻撃されてはならないのか、またこうした事態が世界の紛争地で続いていることが広く認識されているとは言えません。そこでMSFは2016年より「病院を撃つな!」と題したキャンペーン(http://www.msf.or.jp/utsuna/)を開始、その一環として、こうした悲劇が繰り返されないよう日本政府に働きかける「署名活動」も展開し、本動画の最後でも署名への協力を広く求めています。

【国境なき医師団】マネキンチャレンジ~Tears of Blood (Mannequin Challenge MSF Japan) - YouTube

出典:YouTube

動画について

【ストーリー】
病院の診察室や手術室で、医療を行う国境なき医師団のスタッフ。医師も看護師も、患者までもマネキンのようにフリーズしていますが、よく見ると全員目から血の涙を流しています。

動画制作背景

国境なき医師団(MSF)日本のスタッフたちがマネキンチャレンジに着目したのは、それが流行しているからという理由だけではありません。病院が爆撃されているということは即ち、私たちMSFの使命である「いかなる状況であろうとも、医療を必要とする人びとに援助を提供する」ことを断念せざるを得ないということです。実際、施設が破壊され、医療従事者の命が失われることにより、紛争地域に暮らす何百万人という人びとが医療を受ける機会を失っています。そうして医療行為が「ストップ」してしまっていることを、我々自身がマネキンと化して動きを止めることで象徴的に表現しています。さらにそのやるせない思い、悔しさを「血の涙」をモチーフにすることで訴えました。作品に出演しているのは全員、本物の国境なき医師団スタッフとその家族たちです。紛争地で繰り返される悲劇に目を向けてもらうために、スタッフ自身の想いを表現しています。そして動画に触れた視聴者の方々には、今なお続く病院爆撃をくい止めるための署名にご協力いただきたいと思っています。マネキンチャレンジの“静止した世界”を脱して、皆さん一人ひとりの「一歩踏み出すアクション」をお待ちしています。

撮影裏話

病院爆撃という「事実」を伝えるため、私たちMSFはリアリティを追求しました。出演するキャストはすべて国境なき医師団日本のスタッフとその家族で、ロケもかつて実在した本物の病院を利用しました。日本全国にいるスタッフが一堂に会して撮影するまたとない機会。時間の制約があるなか、我々は「多くの人に痛ましい事実を知ってもらいたい」という共通する意志のもと、団結しました。当初は30分ほどの撮影時間を見積もっていましたが、思っていた以上に難しい「マネキン化」。意識すればするほど、ついまばたきしてしまったり、指先が動いてしまったり。最終的には10テイク以上、3時間を超える撮影に。終電の時刻はとうに過ぎ、翌日の予定に差し障る状況にも、30人以上のスタッフは誰もサジを投げず、「次こそは絶対うまく行く」と食らいついていきました。最後の最後と決めて行ったテイクでは、全員が驚異的な集中力を発揮し、まさに完璧な仕上がりに。その達成感に思わず泣きだすスタッフも現れたほどでした。

「病院を撃つな!キャンペーン」署名サイト

国境なき医師団(MSF)の運営・支援する医療施設への攻撃件数は、2016年だけで21ヵ所50回にも及び、それによる死者は175人、負傷者は181人にも及びます(11月22日現在)。シリアでは今年4月、1度の爆撃で55人もの老若男女が命を奪われました。世界各地の紛争で、医療施設や医療従事者が標的となり、患者が殺害されています。しかし、戦争にもルールがあり、医療施設への攻撃は一切容認できません。国際人道法に反する、このような暴力が即時に停止されることをMSFは強く望んでいます。

2016年5月3日の国連安全保障理事会では、紛争下での病院、医療・人道援助活動従事者、傷病者への攻撃を強く非難し、そうした事態に対しては迅速で公正な調査を求める決議が全会一致で採択されました。この決議作成には、日本も提案5ヵ国のひとつとして加わっています。

MSFは日本政府に提出する下記の陳情に賛同いただける署名を募っています。多くの方々からご署名を頂くことが、こうした現状の“常態化”をくい止める一助となります。医療への攻撃を防ぐために、また、攻撃した行為者の責任が追及されるように、国境なき医師団は沈黙せず、あらゆる手段を講じる所存です。紛争地においては、医療・人道援助活動者は不安なく活動でき、患者は常に安全でなくてはならないのです。

「ここに署名をした私たちは、医療施設、医療・人道援助活動者と患者への攻撃に憤っています。国際人道法のもとの『医療保護』と、攻撃の行為者の責任を求める、国境なき医師団の日本国内外への呼びかけを支持します。そして、私たちは国境なき医師団とともに、2016年5月採択の国連安全保障理事会決議第2286号が単なる文書にとどまらず、医療施設、医療・人道援助活動者および患者の中立・安全・保護を維持し、攻撃の責任者に説明責任を果たさせる具体的な行動へと結びつくよう、あらゆる影響力の行使を日本政府にお願いいたします」※受付期間は2017年3月31日までとなります。

国境なき医師団(MSF)とは?

国境なき医師団(Médecins Sans Frontières=MSF)は、中立・独立・公平な立場で医療・人道援助活動を行う民間・非営利の国際団体です。1971年にフランスで設立し、1992年には日本事務局が発足しました。現在、世界28ヵ国に事務局を設置しています。MSFの活動は、緊急性の高い医療ニーズに応えることを目的としています。紛争や自然災害の被害者、貧困などさまざまな理由で保健医療サービスを受けられない人びとなど、その対象は多岐にわたります。主な活動地はアフリカ・中東・アジアなどの途上国です。
MSFの活動は、その資金の9割以上が民間からの寄付で成り立っています。また、活動地へ派遣するスタッフの募集も通年で行っています。さらに、活動地の現状報告や患者の方々の声を届ける証言・広報活動も重視しています。

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記事監修:薬剤師白石厚子

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