女性特有の病気について

女性には男性にはない、特有の病気や悩みがあります。

女性特有の部位、胸や子宮、卵巣などの病気から、身体の変化によるホルモン分泌の変化や加齢による異常などもその一種。

ところがこれらの病気や身体の変化について、全てきちんと把握している、という女性の方はどのくらいいらっしゃるでしょうか?
これまで大丈夫だったから、自分はまだ若いから、と油断している人が大半なのではないでしょうか。

2016年2月24日に放送されたテレビ番組「ザ!世界仰天ニュース」でも、生稲晃子さんの乳がんとの闘病生活について紹介されていました。
乳ガンは今や日本人女性の約12人に1人がかかると言われているそうです。

自分自身が将来なるかもしれない病気、リスクについて把握しておき、定期検診などを利用して予防に努めましょう。

子宮内膜症

子宮内膜症は、その子宮内膜組織に似た組織が卵巣など子宮外に発生する病気です。
発症のはっきりとした原因はわかっていませんが、ライフスタイルの多様化などから、女性の一生涯における月経回数が増加したことにより、患者数は増える傾向にあります。

子宮内膜症患者の約9割が激しい月経痛を訴えるそう。
また不妊の大きな原因の一つが子宮内膜症症だそうです。

子宮筋腫

子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍のことで、成人女性の4人に1人がもっているといわれています。
無症状の場合も多く、不妊や流産の原因になることもあります。

月経困難や生理時の出血過剰による貧血症状などが主な症状で、腫瘍の大きさやできた部位によっては手術が必要な場合もあります。

子宮頸がん

子宮は、その入り口部分を子宮頸部といい、子宮の奥、胎児が発育する場所を子宮体部といいます。
子宮頸がんとは、子宮頸部に発生する悪性の腫瘍をいいます。

子宮体がんが50歳代から60歳代がかかりやすいのに対して、子宮頸がんは、30歳代後半から60歳代の広い年齢に満遍なく多く見られ、近年では20歳代の若い女性にも増えています。

子宮体がん

子宮はその部位が体部と頚部に分かれています。
体部は妊娠中胎児を育てる部分、頚部は出産時に産道の一部徒なる部分を指します。
この子宮体部に発生したがんのことを子宮体がん(子宮内膜がん)といいます。

子宮体がんが進行すると骨盤内や周囲のリンパ節に転移し、さらに進行すると膀胱や腸など周囲の臓器に転移してしまいます。
転移する前の方が治療後の経過はよいため、早期発見のためにも定期的に検査を受けることが重要です。

卵巣がん

卵巣がんは20歳代から70歳代の幅広い層の女性に多い病気です。
40歳代から増加し、50歳代後半でピークを迎えます。

卵巣は子宮上部の左右にひとつずつある親指くらいの大きさの臓器です。
卵巣は腫瘍ができやすい臓器のひとつで、様々な腫瘍が発生します。

卵巣がんも、卵巣の表面などの発生部位によっていくつかの種類に分かれ、また、発生するがんにもいくつかの種類があり、それぞれ性質が異なります。

卵巣のう腫

卵巣のう腫は、その卵巣にできる良性の腫瘍です。

卵巣は定期的に女性ホルモンを分泌し排卵を繰り返すので、体の中でも腫瘍ができやすく、「沈黙の臓器」とも言われ、のう腫ができても察知することが困難な器官です。

のう腫がにぎりこぶし大以上になると、下腹部がふくらんできたり、違和感を覚えるようになります。

卵管炎

卵管は子宮の左右にある管状の器官で、精子と受精卵が移動するときの通り道となります。
その卵管に細菌が付着し、炎症が起こった状態を卵管炎といいます。

卵管炎の原因となる菌は、大腸菌など比較的ありふれた菌で、出産や性交渉によって菌が入り込み症状が起こります。

卵管は細いので軽度の炎症でもつまってしまい、不妊の原因となることがあります。
また、卵管は子宮と卵巣をつなぐ器官でもあるので、卵管が炎症を起こした場合は周りの臓器も炎症している可能性が高いです。

卵巣のう腫

卵巣のう腫は、その卵巣にできる良性の腫瘍です。

卵巣は定期的に女性ホルモンを分泌し排卵を繰り返すので、体の中でも腫瘍ができやすく、「沈黙の臓器」とも言われ、のう腫ができても察知することが困難な器官です。
腫瘍が大きくなると下腹部がふくらんできたり、周囲の臓器を圧迫することから腰痛や便秘など様々な症状が起こります。

乳がん

乳がんとは、乳腺にできる悪性の腫瘍であり、約半数が乳首より上の外側にできます。
30代から急激に発症件数が増加し、女性が最もかかりやすいがんとなっています。

乳がんの初期症状として、胸にくぼみができたり、触るとしこりを感じたりします。
また、鏡で両方の乳房を比べたときに乳首の位置がずれていたり、乳首が陥没したりする場合もあります。
乳房をつまむと乳首から何らかの液体が出てくることもあります。
この様な症状を確認したら、怖がらずに病院を受診しましょう。

乳がんは発見が早ければ、治療の選択肢も広がり、その後の生活や生き方にも大きく影響します。
お住まいの市区町村で乳がん検診の費用助成も行ってますので、ぜひ積極的に受診し、早期発見を心がけましょう。

乳腺症

乳腺症とは、年齢に伴う女性ホルモンの影響によって乳腺に起こる変化の総称です。
30歳代~40歳代の女性に多く見られます。

乳腺症は様々な症状を示しますが、特徴的な症状のひとつとして、乳房にできるしこりがあります。

乳房のしこりは乳がんとの区別が難しいことがあり、乳がんの発見が困難になることがあります。

バセドウ病

バセドウ病は、甲状腺のホルモンが過剰に分泌され、新陳代謝を必要以上に高めてしまう病気です。

甲状腺は、首の中央ちょうど鎖骨の上のあたりに位置する臓器です。
体の中にその甲状腺を刺激する抗体ができ、それが原因で甲状腺が刺激され、バセドウ病の特徴的な発汗や手のふるえをもたらすと言われています。

しかし、甲状腺を刺激する抗体がなぜできるかは未だ不明のままです。
詳しい理由はわかっていませんが、男女比は1:5といわれており、20~40歳の女性に多く発症しています。

歌手である絢香さんが発症したのもこの病気です。その結果よく知られるようになりましたね。

関節リウマチ

関節リウマチは体の様々な関節に炎症が起こる慢性の病気です。
主な症状は炎症による関節の腫れや痛みで、病気が進行すると関節の破壊や変形が起こります。
多くの場合、症状が落ち着いたり悪くなったりということを繰り返しながら、慢性に経過していきます。

関節リウマチの男女比は1:4と女性に多く、女性では30歳代から増え始めます。
※厚生労働省「平成20年患者調査」より

帝王切開

帝王切開は、逆子や多胎であることがあらかじめ判明しており、母子の安全性を重視して陣痛が始まる前に計画的に帝王切開をする「選択的帝王切開」と、分娩 時に何らかのトラブルが発生し、母子共に危険な状態に陥ったと判断された場合に緊急的に帝王切開をする「緊急帝王切開」の2つに分類されており、全分娩件数17%を占めています。

赤ちゃんの発育は、自然分娩と何ら変わるところはないのですが、お腹を切っての出産となるため、傷の回復など体が万全な状態になるには少し時間がかかります。

月経不順

月経は心や体の影響を受けやすく、ちょっとしたストレスや過度なダイエットなどで、月経が遅れたり止まったりします。

月経中にイライラしたり、ダイエット は月経後が効果的といわれているのも、月経と心身が密接に結びついている証拠です。
月経の周期が極端に短い(周期が24日以内)、40日以上月経がないな ど月経の周期が乱れていると月経不順の疑いがあります。

月経不順は不妊原因のひとつといわれ、必要に応じてホルモン療法などが用いられます。

更年期障害

更年期障害とは、更年期に現れる様々な身体的・精神的症状の総称です。
更年期とは、一般的に45歳から55歳くらいまでの時期を指します。

卵巣の機能が低下し始めてから完全に停止するまでの期間のことで、この間に閉経が起こります。
卵巣の機能の低下に伴い、40代に入った頃から女性ホルモンの分泌が減少し始め、閉経とともに急激に減少します。

この女性ホルモンの分泌の減少によって、様々な身体的・精神的症状が現れます。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症とは、甲状腺ホルモンの分泌が正常より低下する状態をいいます。

甲状腺ホルモンとは甲状腺から分泌されるホルモンのことで、代謝を調節し、運動機能や精神機能を活発にさせる役割を持ちます。

そのため、甲状腺ホルモンが低下すると、体のすべての機能が低下してしまいます。
女性に多く見られ、中でも40歳以上の女性によく見られます。

かかりやすい女性の病気は年代で変わる!

代表的なものをかかりやすい年代別にまとめたものが下記の図です。
病気とは無縁と思ってしまいがちな20歳代から見られるものも意外にたくさんあります。

代表的な女性の病気&かかりやすい年代

代表的な女性の病気&かかりやすい年代

20歳代の女性がかかりやすい女性の病気

学生から社会人へ、生活がこれまでのものから一変する20歳代。
結婚をして出産が増えるのもこの時期です。

20歳代の女性の入院原因を調べると、やはり女性の体に大きな負担のかかる、妊娠や出産での入院が上位を占めています。
妊娠・出産以外にも、最近では20歳代の女性に女性の病気がよく見受けられます。

■20歳代女性の入院原因トップ3 推計退院患者数

【1位】 自然分娩
【2位】 異常分娩・流産
【3位】 胃腸炎
※平成17年厚生労働省「患者調査」より

■20歳代でかかりやすい女性の病気

帝王切開
異常分娩
子宮筋腫
子宮内膜症
子宮頸がん
バセドウ病
全身性エリテマトーデス

■出産のトラブル
医療の発達によって、リスクはかなり抑えられてはいるものの、やはり出産は母体に大きな負担がかかります。
約6人に1人は帝王切開での出産というデータもあります。

帝王切開娩出術の割合の年次推移(各年9月中)

帝王切開娩出術の割合の年次推移(各年9月中)

30歳代の女性がかかりやすい女性の病気

30歳代での入院原因の上位2位を占めるのが、近年の晩婚化などの影響もあり、20歳代と同じく妊娠・出産にかかわるものです。

また、30歳代で急激に高まるのが、子宮筋腫による入院です。

■30歳代女性の入院原因トップ3 推計退院患者数

【1位】 自然分娩
【2位】 異常分娩・流産
【3位】 子宮筋腫
※平成17年厚生労働省「患者調査」より

■30歳代でかかりやすい女性の病気

帝王切開
異常分娩
子宮筋腫
子宮内膜症
子宮頸がん
バセドウ病
乳がん
関節リウマチ
全身性エリテマトーデス

■子宮筋腫
30歳代の入院原因として3番目に多いのが、子宮筋腫によるものです。
30歳代から急激に増加し、その数は20歳代の約7倍となっています。

年代別 子宮平滑筋腫による年間の入院患者数

年代別 子宮平滑筋腫による年間の入院患者数

40歳代の女性がかかりやすい女性の病気

40歳代は子供の世話や家のこと、仕事をしている人は仕事もと、なかなか自分のカラダを気遣う時間が取れない忙しい時期です。

しかし、様々な女性の病気にかかりやすいのも40歳代。
定期的な検診を受けるなど、体のチェックを行いたいですね。

■40歳代女性の入院原因トップ3 推計退院患者数

【1位】 子宮筋腫
【2位】 乳がん
【3位】 異常分娩・流産
※平成17年厚生労働省「患者調査」より

■40歳代でかかりやすい女性の病気

帝王切開
異常分娩
子宮筋腫
子宮内膜症
子宮頸がん
子宮体がん
卵巣がん
バセドウ病
乳がん
関節リウマチ
全身性エリテマトーデス

■乳がん
乳がんにかかる確率がとても高くなります。
乳がんにかかる確率は女性のかかるがんの中で最も高く、増加傾向にあります。

欧米とは異なり日本では閉経前の乳がんが多く、40歳代後半から50歳代にかけてがピークとなっています。

女性の年齢別がん総患者数

女性の年齢別がん総患者数

50歳代、60歳代の女性がかかりやすい女性の病気

50~60歳代になると子供も手を離れ始めて、もう一度自分の時間ができるとき。
この時間を思い切って楽しむためにも、病気のリスクをしっかり知っておきたいですね。

50歳代になると、40歳代までと比べて入院患者数が大幅に多くなります。
その原因としては、乳がんや卵巣がんなどの「がん」が挙げられます。

■50歳代女性の入院原因トップ3 推計退院患者数

【1位】 乳がん
【2位】 卵巣がん
【3位】 手足の骨折
※平成17年厚生労働省「患者調査」より

■50歳代・60歳代でかかりやすい女性の病気

子宮筋腫
子宮体がん
卵巣がん
バセドウ病
乳がん
関節リウマチ

■乳がん
40歳代では入院原因の2番目だった乳がんが、入院原因として最も多くなります。

■卵巣がん
卵巣がんは40歳代から増加し、50歳代後半でピークを迎えます。
卵巣は腹部にあり自覚症状があまりないため、卵巣がんと診断されたときにはすでに卵巣から周囲にひろがっていることもあります。

■子宮体がん
子宮がんのうちのひとつ子宮体がんも、50歳代以降の閉経後の女性に多いがんです。
子宮体がんは近年増加傾向にあり、その原因は女性の高齢化や食生活の欧米化によるところが大きいと考えられています。

女性の年齢別がん総患者数

女性の年齢別がん総患者数

身体のサインを見逃さず、女性特有の病気に備えよう!

仕事に家事に毎日忙しくしていると、ついつい自分の身体のサインを見逃してしまいがちです。
しかし病気に「私だけは大丈夫!」は通用しません。
若くても、健康でも、病気にかかる可能性はあるのです。

身体が発するサインを早い段階で見つけることで、早期治療にあたることができますし、治療が早ければ病気が治癒する確率も高まります。
ぜひ検診などを利用して、早めに自分の身体のサインを発見するようにしましょう。

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記事監修:薬剤師白石厚子

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